PCがエミュレータの要件を満たしているかWindowsの基本機能で確認する [アプリ追加不要]
比較的新しめのPCを使用している方はあまり気にする事もないかと思いますが、エミュレータを動作させる為に必要なハードウェア要件というものがあります。英語だとRequirementsとか書かれているやつですね。
しかしPCはそんなに安い買い物でもないですし、故障さえしなければ何年でも使い続ける事は可能なのでふと気付けばもう何世代も前のスペックになっていたという話も珍しくないように思います。
そうなるとこの要件というのが地味に引っかかってくる場合があるので自分のPCがどこまで対応出来るのか知らないよりは知っておいた方がいいと思いますが、PCのハード的な事に関してはさっぱりという方や家族や友人から譲ってもらったPCなのでよくわからないという方もみえるでしょう。
そんなわけで以前そういった事を調べる為の定番アプリを紹介した事がありましたが、この手のアプリは一度利用したら後はそう何回も起動する類いのものではないので今回は外部アプリの導入は無しの方向にしてWindowsの基本機能のみでCPU・GPUのモデルを調べてからその情報を元にあるサイトで詳細を確認するという方法を紹介したいと思います。
エミュレータの要件として挙げられる項目
最低限必要な環境と推奨環境とで分けられている場合もありますが、だいたいの目安としてこの辺りの項目が挙げられている事が多いでしょうか。
- Windows(7とか10とか)
- x64対応
- コア数
- メモリ容量
- AVX / AVX2対応
- OpenGL / Vulkanのバージョン
この中の1~4はWindowsの基本機能だけで確認出来ますが、5と6に関してはちょっと方法が思いつかないのでCPUとGPUのモデル名を調べてからそれを元に検索する事にします。
Windowsの基本機能を利用して確認
CPU・GPUのモデルやメモリ容量程度の情報であれば外部アプリを導入するまでもなくタスクマネージャーやシステムの詳細から確認する事が出来ます。
タスクマネージャー
Windowsのスタートボタンかタスクバーの上で右クリックメニューを開いてタスクマネージャーを選択します。ウィンドウが開いたらパフォーマンスのタブをクリックするとCPUの情報が表示されます。(他のタブが開いていた場合は左側のタブからCPUを選択してください)
この画面からわかる内容は
- CPU(モデル・世代など)
- 基本速度(クロック数)
- コア
- 論理プロセッサ数(スレッド)
- 仮想化(VT-x)
- メモリ容量
- GPU(モデル)
画面左側のタブでメモリやGPUの詳細情報と表示を切り替えて確認出来ます…が、ここではあまり必要無さそうな情報なので今回はさらっと流しますよ?
ちなみにメモリのタブではメモリの規格(DDR4-2666)だとか、GPUのタブではGPUメモリ(VRAM)の容量などがわかるので必要な方はそちらも参考にしましょう。
システム 詳細情報
Windowsのスタートボタン上で右クリックメニューを開いてシステムを選択します。(違う画面が表示されていた場合は一番下の詳細情報を選択してください)
この画面からわかる内容は
デバイスの仕様
- プロセッサ(CPU)
- 実装RAM(メモリ容量)
- システムの種類(x64ベース)
Windowsの仕様
- エディション(7 / 10 や Home / Proとか)
techpowerup.comで調べる
CPUとGPUそれぞれのモデル名がわかったところで次はtechpowerup.comで詳細を確認します。
CPUの確認
それではまずCPUから。次のサイトを開いて「or type to Search…」に先ほど調べたCPUのモデル名(数字の部分だけでいいでしょう)を入力するとフィルタがかかるのでリストから該当するモデルを選択します。
サンプルのCore i5-9400の詳細がこちら。
ここで確認する項目はFeaturesにAVX、またはAVX2があるかという事になるでしょうか。数はまだそれほど多くありませんが最近ではAVXが必須のエミュレータも増えてきましたので。
もちろんIntelの公式サイトで確認するのも普通にありです。
GPUの確認
次はGPUです、こちらもCPUと同様に先ほど調べたGPUのモデル名から数字の部分を入力してフィルタ表示されたリストから該当するモデルを選択します。
サンプルのGTX 1650の詳細がこちら。
ここで確認する項目はGraphics FeaturesのDirectX(Direct3D)・OpenGL・Vulkanのバージョンになります。
もちろんNVIDIAの公式サイトで確認するのもありですがこっちはあまり詳しくなかったような?
PassMarkのスコア
この数値が指標として挙げられているのはPCSX2くらいな気もしますが一応参考までにという事で。CPUとGPUそれぞれ以下のリンクからサイトを開いてCPU・GPU名で検索(ブラウザの機能的な意味で)してください。
CPU Benchmarks
サンプルのCore i5-9400はこんな感じです。
Videocard Benchmarks
サンプルのGTX 1650はこんな感じです。
ソフトウェア的な要件
これはハードウェア的な要件とはまた別の話になりますが、多くのエミュレータを動作させる為に割と必要になるランタイムなので「そんなもん入れた覚えはねぇ!」という方はついでに入れておく事をお勧めします。
とりあえず「Visual Studio 2015、2017 および 2019」だけインストールしておけば事足りるので、後は必要に応じて追加していけばいいでしょう。x86版とx64版とありますがこれは両方入れておいた方が無難かと思われます。
基本的にここ10年くらいのPCならだいたいOK
基本的にはここ10年くらいの間に発売されたPCなら最新のエミュレータでも起動に必要な要件はほぼ満たしていると思って大丈夫でしょう。目安としてよく言われるのは第4世代(Haswell)以降のCore iならまぁOKみたいな感じですが、これはそこからAVX2に対応しているからだと思われます。ちなみにPentiumやCeleronは新しくてもAVXに対応してないので注意が必要ですけど。
とりあえず新しいエミュレータを導入した際にいくつかのゲームで不具合があるとかいうレベルでなく最初から起動すらしないという場合は必要なファームウェアなどが無いか要件を満たしていない可能性があるので、そんな時はまずPCのスペックとエミュレータの要件を再確認してみると解決に繋がるかもしれませんよ?