PS2エミュ AetherSX2をSnapdragon 480のスマホで動かしてみた
以前から気になっていたAndroid用のPS2エミュ AetherSX2をそろそろ試してみようかしら?とGoogle Playに行ってみたらどこにも見当たらないじゃないですか…どゆ事?
単にデバイスに対応していないので表示されなかったというオチだったようです。AetherSX2って結構なスペックを要求するんですねぇ…という事でこうなったらAPKからインストールするとして、推奨スペックに満たない機種ではたしてどこまで動くのかざっくり検証してみたいと思います。
2022/3/14時点で最新のAlpha版 alpha-1451での内容になります。
AetherSX2のダウンロード
普通にインストール出来る場合はGoogle Playからどうぞ。
基本的にAPKからのインストールはお勧めしないという事ですが、私の場合はそうするしか無いようなのでこちらの公式サイトからダウンロードしますよ?
Open Testing (Beta)とClosed Testing (Alpha)の2種類ありますが、BetaはいわゆるNightly Buildという感じでGoogle Playと同じバージョンです。これに対してAlphaはCanary Build的な感じでしょうか、少しでも安定したバージョンがいいならBeta、とにかく最新版という事ならAlphaで。
ただし、注意書きにもあるように
繰り返しになりますがα版ビルドの使用はお勧めしません、致命的に壊れている可能性があります。また、APKからインストールされたユーザーにはコミュニティによるサポートは提供されません。
という事なので、どうするか最終的な判断はお任しますね?
AetherSX2が正式に公開される前に書かれた記事には「ダウンロード出来るAPKは偽物だったりウィルス的な何かが仕込まれてたりするから注意」といった内容のものが見られますが、現在の公式サイトからリンクされているものについては大丈夫なはずです。何れにしろこの辺りも自己責任でという事でお願いしたいですが。
AetherSX2のハードウェア要件
トップページがいきなりFAQになってますがAetherSX2の公式サイトはこちら。
What are the requirements? に記載されている内容を大雑把に要約するとこんな感じでしょうか。
- 良いパフォーマンスを得るにはハイエンドのデバイスが必要
- 少なくともSnapdragon 845相当のデバイスを推奨(Cortex-A75レベルの4つの大きなコア)
- 大きなコアが2つしかない場合はマルチスレッドVUを有効にすべきではない(結果的にパフォーマンスは低下)
- MaliまたはPowerVR GPU搭載のデバイスはAdreno GPUよりパフォーマンスが低い
- 低速なデバイスでアプリを使用したい場合、試すことはできるがゲームの動作は遅くなる
うん、まぁ普通によくわかる話ですわね。
検証に使用したスマホ
今回の検証には arrows We FCG01 を使用しました。ハイエンドに遠く及ばないどころかむしろローエンドな機種だというのは百も承知ですが、それでも一応は比較的新しめの機種ですからね?少しはいいところを見せてくれる事に期待するとしましょう。
推奨されているスナドラ845に対してこちらはスナドラ480なのでパワー不足は確定的に明らかですが、もし480でそれなりにでも動くならミドルクラス以上のスマホだったらもっといけそうじゃね?てな感じで参考にしていただけそうなのでダメ元でやるだけやってみたいと思います。
スナドラ480と845の比較
コアに関する部分だけwikiから抜粋してみました。
Snapdragon 480 | Snapdragon 845 |
---|---|
Kryo 460 Gold (Cortex-A76) x 2 | Kryo 385 Gold (Cortex-A75) x 4 |
Kryo 460 Silver (Cortex-A55) x 6 | Kryo 385 Silver (Cortex-A55) x 4 |
スナドラ480は大きいコアが2つしかありませんが、845より新しいだけあってコアの性能は上がっているようですしコア数の差をどのくらいカバーしてくれるのかが気になります。
実際に動かしてみた
AetherSX2の導入と設定についてはまたおいおいという事で今回その辺りは端折っていきます。
設定はほとんどデフォルトのまま…かはあやしいですが、PC版と同じ感覚でイジっちゃったかも?とりあえずデフォルトでそうなってるものもありそうですが覚えている範囲でいくつかポイントを挙げてみます。
- パッチコードの有効化
- VPSなどの表示をオン(テスト用という事で)
- Multi-Threaded VU1:無効
- GPUレンダラー:Vulkan
- 内部解像度:x2(速度的にx1とあまり変わらない感じだったので)
- イメージファイルは全てCHDフォーマットで使用
スクリーンショットはスマホで撮影したまんまだと若干重いので画質を落として軽量化してあります。また、画面の右上にVPSなどを表示させてあるので参考になれば幸いです。
○ 機動戦士ガンダム 連邦 vs ジオンDX
こいつ…動くぞ!(言ってみたかっただけ)ローディング時などに微妙に速度が100%を切る事はあるようですが(これはどのゲームでもそうですけど)全く違和感を感じないくらい普通に動きました。ただ、私がヘタクソなのをおいといてもコントローラーを使わないとさすがにこれは結構ツラいんじゃないかと…
△ バーチャファイター 4 Evolution
キャラクター選択画面まではサクサクと快適に動いてましたが、対戦が始まった途端にもっさりーぬ…これはまぁ予想通りといったところでしょうか。わかっててあえて格ゲーをセレクトしてますのでね?
△ ストリートファイター EX3
バーチャ4とほぼ同様で動きはするものの実際にプレイするにはちょっと微妙?みたいな。てか技を出してからスクショを撮影するというコンボの難易度が地味に高いんですが…
△ DOA2 HARD CORE
もしかしたら格ゲーでもそこそこ動くやつがあるかも?とか思いながらこちらも試してみましたが結果は似たような感じでした、ぐぬぬ…
○ ダービー馬をつくろう! 5
シミュレーション系のゲームなら大丈夫じゃないかという事で選んでみました、レースシーンで最初だけ少しもたつく感じはありましたが途中からはそれほど気にならない感じに。
○ 第2次スーパーロボット大戦α
戦闘アニメーションに若干の不安はありましたがこれもそこそこいけるんじゃないかという事で。時々引っかかるような感じはあるものの概ねプレイには問題ない感じです。と言っても最初の戦闘までしか確認してませんけど。
△ BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO
意外だったのがこのBUSIN、格ゲーと違って軽いだろうと思ったら一番重かったという…最初のイベントシーンを進めるだけでうんざりしてしまったので迷宮に入る前にそっ閉じしました。
でもBeta版(alpha-1334)ではタイトル画面すら出なかった(設定が悪かった可能性も?)のが最新のAlpha版では起動するようになっていたので、とりあえず今後の最適化に期待ですね。
ダメ元で試してみる価値はあり
ありきたりな結論で申し訳ないですが「快適に動くものは動くし、重いものは重い」という事で、ゲームを選びさえすればプレイは可能という感じでした。なので、Google Playからインストール出来ない場合でも諦めずに公式サイトからAPKをダウンロードしてきて試す価値はあるんじゃないかと思います。
CPUの世代が新しければ多少のスペック不足は何とかなる可能性もありますし、最適化が進めばヌルヌルとまではいかなくともそこそこ遊べるようになるかもしれません。とりあえず今後も要注目という事でね?