PS2エミュ PCSX2の導入と初期設定など
ここしばらくの更新で開発版が完全にプラグインレス化したり実行ファイルがAVX2の有り無しで2つに別れたりしたので、そのついでと言っては何ですがここらであらためてPCSX2の導入と設定について簡単にまとめてみようと思いました。
と言ってもPCSX2は他のエミュと比べてデフォルトのままでOKな部分が比較的多いように思うのでそれほど難しい事は無いと思いますが、いつものようにさらっと流しつつ書いてみますね?
2021/7/7時点で最新のv1.7.0-20210707013008での設定内容になります。
公式の設定ガイド
当エントリーは以下の公式ガイドを参考にしています。
尚、現時点で最新のPCSX2開発版は完全にプラグインレス化されているのでプラグイン選択画面は表示されなくなりましたが、各プラグインに相当する設定項目が追加されています。
PCSX2導入の事前準備
本題に入る前にPCSX2の導入にあたってハードウェア要件と起動に必要なファイルの確認です。
ハードウェア要件
ここまで要件が細かく書いてあるエミュってあまり無いように思いますが何だか昔見た時より要求スペックが全体的に引き上げられているような…気のせいだったらすいませんけど。
最小環境
OS | Windows 8.1以降(x86 or x64) |
CPU | SSE4.1のサポート PassMark Single Thread Performance 1600程度 2コア(ハイパースレッディング有り) |
GPU | Direct3D10 OpenGL 3.x PassMark G3D Mark 3000以上(GTX 750相当) GPUメモリ 2GB |
RAM | 4GB |
推奨環境
OS | Windows 10(x64) |
CPU | AVX2のサポート PassMark Single Thread Performance 2100以上 4コア |
GPU | Direct3D11 OpenGL 4.5 PassMark G3D Mark 6000以上(GTX 1050 Ti相当) GPUメモリ 4GB |
RAM | 8GB |
PCSX2の導入に必要なファイル
PCSX2の導入には以下のファイルが必要です。
PS2のBIOSイメージ
Visual Studio 2019用 Visual C++ 再頒布可能パッケージ
Visual Studio 2019用 Visual C++ 再頒布可能パッケージはVisual Studio公式サイトからどぞ。
PCSX2の導入
それではPCSX2のダウンロードから初回起動までの手順です。
PCSX2のダウンロード
PCSX2本体は使いたいバージョンによってダウンロード先が変わってきます。
最新の開発版ではx86(32bit)版は廃止されています。
公式サイトからは正式版のバイナリ・インストーラーと開発版が。
開発版はこちらのページからも。
こちらからはPR版(マスターにマージ済みとされてないものが混在)が。
ビルドボットからはまだx86版がダウンロード出来るようですがどうなんでしょうね?ソースをクリーンアップとか書いてあるんでビルドでどうにかなる話ではないような気もしますが…
GitHub Actionsからどうやってダウンロードするのかわからない!わかりにくい!という方はこちらのエントリーを参考に頑張っていただきたい。
AVX2のサポートについて
それ以前にPCがAVX2に対応してるのかわからない方がみえるかもしれないので一応。
少々遠回りな方法ですがアプリのインストール不要なこれとか。
PPSSPPが既に導入済みならこれとか。(記事中にはありませんがRetroArchにも同様の機能あり)
この辺りのエントリーが参考になれば幸いです。
PCSX2のインストール
ダウンロードしたバイナリを任意のフォルダに展開するだけです。インストーラ版は使った事ないのですいませぬ…
その際にbiosフォルダにPS2のBIOSイメージを入れておくと初期設定がスムーズに進みますが、後から任意の場所を指定する事も出来るのでとりあえず後回しにしても構いません。
PCSX2の初回起動
PCがAVX2に対応しているならpcsx2-avx2.exe(pcsx2x64-avx2)、対応していなければpcsx2.exe(pcsx2x64.exe)を実行するといわゆるウェルカム画面的な初期設定ウィザードが表示されます。
この画面ではそのまま次へをクリックして進みましょう。
BIOSの設定
PCSX2のインストール時にbiosフォルダにBIOSイメージを入れておいた場合はこんな感じの画面になるので、表示されたBIOSを選択した状態にしてから完了をクリックします。
まだ本体のインストール以外何もしていない方(何らかの理由でBIOSイメージが正しく認識されなかった場合も?)はこんな感じの画面になるので、以下の何れかの手順でBIOSイメージを設定します。
PCSX2本体と同じフォルダにportable.iniがあればポータブル化されています。
ポータブル化されている場合
PCSX2を展開したフォルダ\bios にBIOSイメージを入れる
ポータブル化されてない場合
C:\Users\ユーザー名\Documents\PCSX2\bios にBIOSイメージを入れる
任意のフォルダを指定する
デフォルト設定を使うのチェックを外してから参照をクリックしてPS2のBIOSイメージが保存してあるフォルダを選択します。
biosイメージが一覧表示されたら有効化したいものを選択して完了をクリックします。リストに表示されない場合はリスト更新をクリックしたり設置する場所が間違ってないか確認しましょう。
PCSX2の設定
BIOSの設定が無事に終わるとPCSX2のメインウィンドウとログウィンドウが表示されますが、ログウィンドウは必要なければ閉じてしまってOKです。エミュレータによってはログウィンドウを閉じると本体まで終了してしまう場合もありますがPCSX2は大丈夫です。
それでは最初にも書いたようにPCSX2の基本的な設定はほぼデフォルト(プリセット)のままでいいですが、自分で設定した方がいい部分もあるにはあるのでその辺りを順番に見ていきましょう。
Emulation Settings
メニューバーから設定 > Emulation Settings…を開きます。ちなみに変更する箇所が無いタブはスルーしてますので、念の為。
GSウィンドウ
以下は私の設定例ですがここはウィンドウサイズだけイジればよろしいかと。
- ウィンドウサイズ指定:1280 x 960
- ウィンドウのリサイズを無効にする:チェック
- ダブルクリックでフルスクリーンを切り替える:チェック無し
スピードハック
ここでイジるべき項目は1つですが公式の説明(の機械翻訳)によりますと
マルチスレッドVU1 (MTVU)
MTVUオプションは推奨設定でありながらデフォルトでは有効になっていないユニークなケースです。MTVUは3つ以上のコアを持つPCのパフォーマンスを向上させるもので、圧倒的多数のゲームにはほとんど影響を与えません。しかし、少数の有名ゲームはMTVUに対応しておらず有効にすると壊れてしまうことがあります。これらの理由からデフォルトでは有効にしていませんが、ご自身で有効にすることを強くお勧めします。MTVUを有効にしてもゲームが起動しなかったり、クラッシュしたり、ストールしたり、その他の問題が発生する場合は無効にして再度お試しください。
という事です。
- microVU ハックのMTVU(マルチスレッド microVU1)にチェック
尚、この項目を有効化するとその下のInstant VU1が反転しますが、これはMTVUが無効化されている時に有効な項目なので気にしなくてOKです。
先ほどここでイジるべき項目は1つとか言ったばかりなのに…スマンありゃウソだった的な。
実はプリセットが有効になっていると変更出来ない部分にある項目なんですが、ディスクの読み込みを少しでも速くしたい方はプリセットのチェックを外してFast CDVD 有効化にチェックを入れるのもありです。
ただし、項目上でマウスカーソルをホバーさせるとそれっぽい説明が出ますが、この機能を使用出来ないゲームもあるらしいので「何か挙動おかしくね?」と思ったらこちらのリストを確認してみてください。
まぁディスクのアクセスは速いにこした事はないですけどね…何かあった時にいちいち調べるのもめんどうなので私はデフォルトにしています。
Memory Cards
メモカに関してはとりあえずデフォルトでOKですが、もうちょっとつっこんだ使い方を別エントリーで書きたいと思ってますのでまた後日あらためて。
…という事で作成したエントリーがこちらになりますので参考になれば幸いです。
Audio、Network and HDD、USB Settings
この辺りは特にイジる必要は無いでしょう、たぶん。
GamePad Settings
コントローラーがWindowsで認識されている前提で話を進めますよ?
とりあえずデフォルトでXinputとDinputどちらも有効になっているので、GeneralタブはそのままでOKです。Pad1とPad2の設定だけ確認しましょう。
Xinputのコントローラー
Xinputの場合はデフォルトで設定されているので特に何もしなくてもそのまま使えますが、XboxのレイアウトなのでPSとは決定とキャンセルボタンが逆になります。PSのレイアウトにしたければFace Buttons(○×△□)だけ設定を変更しましょう。
左がデフォルト設定、右が変更後です。
変更が終わったら適用をクリックで、適用&設定を終了してよければOKをクリックします。
Dinputのコントローラー
Dinputの場合は全て自分で設定しなければなりません。1つずつボタンを選択してアサインしてもいいですが、Quick Setupをクリックしてその左側の枠に表示されるボタンを順番に押していく方がやりやすいように思います。その場合はinput for Analogと表示されたところでStopすればいいでしょう。
設定が終わったら適用をクリックで、適用&設定を終了してよければOKをクリックします。
アナログスティックの遊びの調整
アナログスティックの感度や遊びを調整したい箇所を選択すると、画面右側がボタン表示から個別の設定画面に切り替わるのでスライダーで値を変更してやればOKです。
変更が終わったら適用をクリックで、適用&設定を終了してよければOKをクリックします。
尚、ボタン表示の画面に戻したい時はBack to Controlsで、設定をデフォルトの状態に戻したい時はReset Configurationをクリックしましょう。
Graphical Settings
とりあえずInternal Resolutionだけイジって好みの解像度にしましょう。
それ以外の項目に関してはゲームによって挙動がおかしくなった場合にwikiなどを参考にして調整する事になると思います、たぶん。
上記以外の設定など
- システム > Game Settings > チート有効化
私はチートコードってあまり使わないんですが、使った時にあれ?効いてなくね?とかいうのもアレなので忘れない内に一応。 - システム > Game Settings > ワイドスクリーンパッチ有効化
これまだやった事無いんですけどいつか挑戦してみたいとは思ってます。 - システム > ステートセーブ前にバックアップ
これは万が一の時にあった方がいいかもしれませんが私は要らないかな?と思うので外してます。
PCSX2の導入完了!
PCSX2は導入するだけならほとんど設定をイジらなくていいので楽だろうと思ってましたが…あらためてまとめてみると結構そうでもなかったような気がします。
それにゲームによっては普段イジらないようなところまで変更しないといけなかったりしますが、以下のページを参考にすると解決に繋がる場合があるのでとりあえず色々とイジって楽しんでみてくださいね?
その他のエミュレータの導入と初期設定についてのページはこちらにリンクをまとめてありますのでよろしければご利用ください。